男の娘くすぐり天国 絶頂大量潮吹き 那々未ちゃん

見下ろすような高身長のスレンダー体躯を持つ那々未が、密室に拘束され、笑い声と喘ぎが交錯する異様な時間が始まる。抑制された空間には緊張と期待が漂い、くすぐりという一見軽い行為が、やがて肉体と精神を極限まで追い詰める快楽に変貌していく。自由を奪われた身体がわずかに震えるたび、観る者は否応なくその背徳的なリズムに引き込まれていく。くすぐり責めというニッチなプレイが、ここでは支配と解放の境界を曖昧に溶かしてゆく。

モデル然とした美貌とニューハーフ特有の中性的魅力が同居する那々未は、その存在自体がフェチの結晶といえる。口コミで指摘があったように「まあまあ」と評された淡いSM感が、逆にくすぐりの焦点を際立たせる。彼女の滑らかな肌、緊張に浮く汗、そして無防備に晒された素肌が織りなすギャップが観る者の想像力を刺激する。ニューハーフAVという枠の中でも、変態的でありながら繊細な官能が漂う。

拘束具で固定された手足の上を、羽根やブラシが静かに滑る。那々未の表情は笑いと苦悶の狭間を漂い、身体のどこを刺激されても敏感に反応してしまう。レビューでは「もう少しSM寄りでも」との声もあったが、この作品ではあえて肉体の“耐え”と“悦び”のせめぎ合いを楽しませる設計だ。強まる指の圧、止まらぬ絶頂の波、そして大量の潮吹きが演出するクライマックスは、マゾ快楽の極点を可視化している。

MERCURYレーベルらしいフェチへの実験精神が随所に光る一作だ。道具の使い分けや演出のテンポは、派手なSM演出ではなく、感覚を研ぎ澄ますような“間”を大事にしているのが特徴。変態プレイをテーマにしつつも、笑いと快感が共存する柔らかなエロスに昇華している。ニューハーフ作品にしては珍しい“くすぐり責め”という企画性も含め、MERCURYの多様な性フェチ路線を象徴する1本と言える。